20台後半になった今でも思い出す、電車で出会った見知らぬおばあさんの話を聞いてください。
その日は暑い夏の日でした。当時私は高校生で、電車通学をしていました。2人がけの席に一人で座っていたところ、次の駅でそのお婆さんが乗ってきました。白髪を薄く紫に染めて、出で立ちも上品、優しそうな顔つきの人でした。その人は小さくお辞儀をして私の隣に座りました。
私は特に気にせずじっとしていると、隣からそよそよと涼しい風が吹いてきました。何だろうと隣を見てみると、そのおばあさんが扇子で私の事を扇いでくれていました。彼女自身を扇ぐ時に、私にも風が当たるような向きでしてくれていたという感じでした。
私がその人にお辞儀をすると、優しく笑ってくれました。
それからその風が気持ち良くて自分が降りる駅に着くまでウトウトしてしまっていたのですが、その間も私を扇いでくれていたのが分かりました。すごく心地が良くて幸せな時間でした。電車から降りる時にお礼を言って頭を下げると、また優しく微笑んでくれました。
今でも時々その時のことを思い出します。あの瞬間に戻りたいなぁと思ったり、ストレスがあってもその時のことを思い出すと胸の中がフワフワして夢の中のような幸せな気持ちになります。多分一生忘れません。自分の中では一番と思えるくらい幸せな気持ちになれる思い出です。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
みなさんにも見知らぬ人からもらった幸せがあれば教えていただきたいです。
私の使うバス路線では席の譲り合いが日頃から当たり前にあり、お互い笑顔で譲ったり譲られたりはほんとうに気持ちの良い瞬間だなあと思います。とても疲れていてやっと座れたという時に高齢の方や赤ちゃんを抱いた方が来られると一瞬あーあと思うこともありますが、深呼吸して席を立てば笑顔の交歓でやはり良かったなあと心が軽くなります。いいことをしたつもりの自己満足というより、相手の方が笑顔になればこちらも幸せをもらって嬉しいという気分、分かっていただけますでしょうか。先日は私が譲った方が下りられるとき、離れた場所にいた私に声をかけて座るように勧めてくださったことがとても美しい心配りに感じられてしばらく幸せな気分にひたされました。
わりと田舎なので、大きな荷物を持って立っていたら座っている方が膝にのせてあげると話しかけてくださったり、詰将棋の本をみていたら見知らぬ年配男性に話しかけられたりなんてこともときどきあります。私はそういうのはわりと嬉しく思うほうですが、ふれあいの幸せを感じるか他人に干渉される鬱陶しさを感じるかはいまどき微妙なラインかもしれません。
扇子もいまどきはSNSなどで隣の人の扇子の風が当たるのが不快、汗臭い風を送るななどの苦情を多数見かけますので、夏に扇子を使うときは隣に風が行かないように極力小さく仰ぐことを心がけていました。主さんのような経験や感じ方もあるのだなと知れたことは良かったです。
高校卒業後まもなく、超田舎の運転免許センターからタクシーで駅に戻り、昼食を食べて、また免許センターへ戻ろうとしてました。
当時楽観的すぎてただのアホみたいな所業に思えますが、バスでは時間までに戻れないため、お金が足りないくせにタクシー乗り場に並んでいました。途中で降ろしてもらうつもりだったのかもしれませんが、それは遥か昔のため、思い出せません。
そこへ会社員風の女性が、方向同じなら一緒に乗っていきませんか?と声をかけてくださり、相乗りしました。
お金が足りない旨を話したら、その女性は目的地はさらに先なのでお金はいいよ、と。私は昼の残りのファーストフードのポテトを差し上げて、目的地で降りました。奇跡的に相乗りできて、本当に助かったなと、今でも思い出します。
あとは小雨が降る中、駅に向かって歩いていたら(品川区、しかも彼氏と喧嘩して傘もかしてもらえずそのまま出勤した)、見知らぬ中年の女性が傘をさしかけてくれました。もう20年前の話ですが、東京でもこんな優しい人がいるんだな、と感慨深く思いました。
なぜか、心身共ににピンチの時に、人のやさしさに触れることが多いように感じています。偶然なのか、なんとなく周りに伝わるのか?わかりませんが。
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